お酒を1杯でも飲むなら依存症!?~横浜心療内科マンガ
つい最近「TOKIO」元メンバーの山口達也さんが酒気帯び運転で逮捕された、というニュースが流れましたね。
2018年にも飲酒に関連した彼の行動が問題となり、書類送検されるという出来事がありました。
「問題起こすほど飲むなんて…」
「自分をコントロールできず、お酒に依存するなんて情けない」
など、いろんな意見が出ています。
でも、それはさすがに酷なのではないかと思います。
以下はアルコール依存症についてのマンガです。



山口さんだけでなく多くの人が、お酒を飲んでいるだけで、
十分に「アルコール依存症」に非常に近い状態になっています。
なぜ非常に近い、というのかというと
「アルコール依存症の人」と「アルコール依存症ではない人」の間には明確な壁が存在していないからです。
どんな人でも、週に1杯でもお酒を飲んでいれば、そしてそれが習慣化しているとするならば
これはアルコール依存症と大差ないと判断されます。
意外に感じた方もいらっしゃるかもしれませんので、ここでお酒以外で考えてみましょう。
例えば麻薬。
これを定期的に摂取する人はもちろん依存症、しかも深刻な状態です。
しかしながら、「週に1回しか楽しんでないから私は大丈夫!」という人がいたら、どうでしょうか?
これも当然依存だ!となるはずです。
または「年に1回、特別な時しかしていない!」
これはどうでしょうか。
やっぱり依存だといわれるでしょうね。
定期的に手を出している時点で、「まったくやっていない人」とは雲泥の差があるのです。
アルコールにおいても根本的に一緒です。
「自分は週に1度だけ」と言っていても
最終的にどんどん量や頻度が増えていく可能性は大いにあります。
量が増えていく要因として、快感ホルモンといわれる「ドーパミン」が重要になってきます。
これはお酒を飲む時も出てきますが、あまりにも簡単に出ていると、どんどん出にくくなり、また効きづらくなってくるといわれています。
よって、お酒やタバコも最初は少量で満足できていたのに、いつの間にか満足できなくなり、量が増えていくのです。
そうしなければ、おなじだけ「気持ちいい」と感じることができないからです。
これを繰り返しているとさらにドーパミンは出づらくなり、また更に量も増えてしまう。
これが依存の仕組みなのです。
また、ドーパミンというものは人間の「忍耐力」にも関わっています。
つらいこと等があったときに我慢することができるのも、ドーパミンのおかげです。
しかしドーパミンが出づらくなるとどうなるか。
答えはたった一つ、
「我慢できなくなる」のです。
我慢強さがなくなってしまうと、ちょっとしたことでキレやすくなったり、集中力が続かなくなります。
作業一つにしても、ドーパミンが正常に出ている人にとっては
10分・20分・30分と集中してできるものが、依存症の人は途中で飽きてしまうようになります。
そして
「疲れたからお酒を補充しなければ!」と思ってしまうのです。
その結果、仕事などにも悪影響が出てきます。
これにより依存症の人は社会生活から外れてゆく、というネガティブな展開が起こっていきます。
それによってさらにお酒の量が増えてしまい、肉体的にも蝕まれて行くのです。
山口さんは今回、飲酒運転をしてしまったわけですが
本来であれば
「飲酒運転はしちゃいけない」と理解し、我慢できるはずが
アルコールによって判断力も鈍り、また我慢も出来なくなってしまい
「まあいいか」と問題行動に走りやすくなってしまったのでしょう。
繰り返しますが、依存症には「境界線」がありません。
もちろん「診断基準」はありますが、これは
「社会生活に不適応となっているか・なっていないか」というような基準ですので
「不適応になっていない」状態で
「お酒は楽しむくらいにしているよ」
「日中には影響がないよ」
という方も多いでしょう。
しかし実際に、ドーパミンが出づらくなっているのに変わりはありません。
速度がゆっくりだったとしても、依存症になっていっている可能性は大いにあります。
どこからが全く問題ないか、と断言できる差はないのです。
依存症はだれにとっても身近なもの。
「あの人だけがおかしい」と非難されるようなことでは決してなく
皆さん全員にあり得ること
と考えていただけますと幸いです。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。

ゆうメンタルクリニック横浜院は、診察を『24時間・365日』受け付けております!
どんなお悩みも、お気軽にご相談ください。
診察を申し込む
こちらのお申し込みはご希望のお時間を確約するものではありません。
混雑具合によってはお時間ずれ込む可能性もありますので、余裕をもってお越しください。